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さて、
とうとうこのジャンルに手を出してしまいました・・・

オールドスピニングの世界です。
なぜか、“ビンテージスピニング” とか “ヒストリックスピニング” とか言いませんね。それを言うにはまだまだ歴史が浅いのか・・・
アブのアンバサダーや五十鈴などのオールドベイトもいいなぁと思いますが私はコレクターではないので実釣で使えなければ価値がありません。しかし私のテクではとてもじゃないですが投げられないと思いますので諦めてます。
今、オーバーシーズオールドスピニングというと、アブのカーディナルか、

ミッチェルが、

二代巨頭?
しかし、ミッチェルは米ガルシア社に吸収(販売提携と言ってますが実質吸収らしいです)されて “ガルシア・ミッチェル” になり、アブはそのガルシア社を買収して、“アブ・ガルシア” となりました。そのアブも現在はピュアフィッシング社の傘下に入ってるので両者ともブランドしか残ってないと言っていいでしょう。現にワンタッチスプールなどのミッチェルの機構がアブにも使われています。
因みにアブは、創業者 “カール・アウグスト・ボーグストローム” さんが作った時計会社を意味する “ウルファブリケン” のAとBとUで “ABU” です。
ABUよりも創業が早いミッチェルですが創業者の名前でもないし社名の由来は分かりませんでした。しかも “ミッチェル” は英語読みでフランスは “ミシェル” で綴りも違うはず。でも、何かしらの関係者の名前でしょうね。
追記
ミッチェルの社名の由来について調べました。今は “ミッチェル” という呼びが有名ですが、創業当初は創業者のルイ・カルパノとシャルル・ポンスの頭文字で “C.A.P.(カルパノ アンド ポンス)” という社名だったそうです。

アイデアと技術を、惜しみなく詰め込んだ試作機が完成し、いよいよ世に出そうという時に、C.A.P.の技術者だったミシェル・ポンス(創業者ポンスの兄弟か親族だったらしい)が若くして亡くなってしまい、この大いなる技術者のミシェルを称え、世界を相手にするには英語読みの方が強いだろうと、“ミッチェル” としたそうです。
因みに、スピニングリールの誕生は1900年代前半(1905年と言われているらしい)で、ベイトキャスティングリールは1600年代前半だそう。スピニングは意外と新しい?んですな。
ダイワやシマノのオールドも一通り見ましたが何故かあまり興味が湧きませんでした。
国内で唯一引っかかったのが、

大森製作所のスピニングでしたが、高い。高すぎです。
今回手に入れたのはコイツです。

《ミッチェル 308》
70年代の釣りキチ三平ブームと、庶民向けに作られていたとは言え、おフランス製舶来品のこのミッチェル308は当時大人気で高度経済成長期の波にも押されて大量にバカスカ売れたそうです。
おかげで今でも実釣に耐えうるまともなヤツが一応納得のいく値段で中古市場に出回っています。
細かい所にこだわると、元々庶民向けリールなのにバカ高くなります。こだわりたい気持ちはありますが、まずは実釣に耐えうる、納得できる値段の個体というのが優先です。
ミッチェル社は前身は時計の部品製造会社で、コレはこの時代はよくあることだったそうです。後発の “アブ” も前身は時計の部品製造会社ですね。
308は庶民向けの小型リールでしたが、ソコはソレおフランスなので妙な所にこだわりがあり、庶民向けにも関わらずコストのかかる “ベベルギア” を使っていたり(308はストレートべべルギアですが408はスパイラルベベルギア。当時は、技術大国我らが日本でもこのギアは作れなかったそう。これらのギアを切る“グリーソンカッター”は資産になるほど高かったらしく後に会社が傾いてきた時に売り払うことができたとか)、プラナマティックシステムという特殊なオシレーションを使っていたりします。
プラナマティックは変則的な巻き方をするシステムで、普通のスピニングのオシレーションはスプールが規則的に上下動してラインを均等に巻いていきますが、コイツはラインを樽形になるように巻いていきます。

放出時にラインがスプールエッジに当たりにくいので放出効率が良くなるらしいんですが、確かに真ん中の膨らんだ部分は出ていきやすいと思いますが上下の端っこは普通に当たるんじゃ?
インプレを読んでいると放出の途中で微妙に伸びる時があるとのことで、スポッティングしにくいかもしれません。

私の個体はフット裏にメイドインフランスのシールが貼ってありますが、各部の特徴で判断するに残念ながらC製です。製造年も90年代後期でオールドと言っても怒られないギリギリでしょう。ミッチェルが息も絶え絶えの倒れかけの時の製品なので各部でコストカットされている機体です。
メインギアもコストのかかるべべルギアではなく、かなり安い普通のフラットなフェイスギアになってます。

この頃の機種は最大の特徴であるプラナマティックオシレーションも廃止され普通のオシレーションになる始末。
ただ、この個体はフット裏に日本の品質保証シールがあるように、日本ではプラナマが人気だったので、90年代に日本向けにわざわざプラナマを再度搭載させたジャパンスペシャルを作っていたそうです。コレはその個体なのでプラナマ有りです。


これは再塗装したんでしょうか。やたら綺麗で傷ひとつありません。あっという間に剥がれるエンブレムの金文字も剥がれてません。308の中では1番新しい部類の個体だとは思いますが、それでも30年近くは経っているはず。不自然なほど綺麗です。まぁ綺麗にこしたことはないんですがオールド感が無い・・・
いやしかし、ローターの赤線や文字にかすれや欠けが無く完全な状態なのでひょっとかしてミントコンディションか?再塗装したらわざわざ赤線や文字は入れんでしょう。いや、入れるか・・・
70年代以前の機種は本体のロゴがコイツのようなプレート貼っ付けではなく本体に直接レーザー加工してあるので再塗装は出来ません。
実際に使ってみました。

飛距離に関しては今時のリールと比べても遜色ないどころか、プラナマの威力なのかこっちの方が飛んでる感があります。
巻きは、今の3000円くらいの “ちょい投げセット” に付いてるリールと比べても巻き感は悪いです。
ゴーロゴーロてな感じです。最初、軽く引っ掛かる場所がありましたが使っているうちに引っ掛かりは無くなりました。しかし、たまにベイルアームが起きないことがあります。

ローターから生えてるストッパーがアームの溝にハマって止まるはずが甘くなって噛まないんですな。
ストッパー金具をペンチで曲げてやると・・・

止まるようになりました。こういう調整が出来るところが古い機械の良いところです。
ドラグはおもちゃみたいなもんだろうなと思ってましたがあにはからんや、かなりしっかりと効きますし、お聞かせできないのが残念ですが、良い音がします。
ミッチェルのリールはサカナが掛かるまではアンチリバースはオフで使うのが正解とのことで、これは説明書にも明記してあるそうです。
オフにして回すとストッパーのクリック音は鳴らない(なぜか私のは小さく鳴ります・・・)ので静か。
それはいいとして、当然ハンドルが逆回転しますので最初はあたふたしましたが、慣れてくると垂らしの調整が楽だし、ダウンストリームの時にハンドル逆転させてラインを出すことができるので便利です。
ここで前に作った自作 “からまん棒” を試してみましたが・・・

“からまん棒” ならぬ “からまり棒” になってしまい全く使えませんでした。コレならフロートだけの方がマシです。

久しぶりのスピニングリールということもあり、ピンに撃ち込むどころかあっちゃこっちゃに飛んでいく始末で、ルアーの回収の為に数少ないポイントを潰しまくったので残念ながらサカナは掛かりませんでしたがなんか楽しい1日でした。
“オールドスピニング”
コレはハマるかもしれません。

ではまた。
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