ワトスン

w650 CL カブ シェルパ ナイフ 葉巻 パイプ コーヒー 焚き火

“パイプをやろう!” 〜今のうち〜

 

 

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さて、

近頃の怒涛の勢いでのパイプ確保には訳があります・・・

 

 

 

その前にパイプの所以を少し。

今、タバコと言えばいわゆる紙巻きタバコを指しますが、元々は15世紀末に、皆さんご存知コロンブスアメリカ大陸発見で、先住民が葉巻の様な物や、パイプの様な物を吸っていたのをスペインに持ち帰ったのが始まりと言われています。

 

 

葉巻に関してはスペインハプスブルグ家が国外に出さずに隠していたものを、フランスがスペインに攻め入った時にナポレオンが持ち帰り広まっていったそうです。 また、宮廷では、葉巻やパイプをぷかぷかやるのは下品とされ、タバコ葉を細かく砕いて粉状にして鼻から吸い込む嗅ぎタバコが主流でした。

 

 

因みに、実際にタバコを発見したのはコロンブス本人ではなく、下っ端の船員でしたのでスペインに帰国したと同時に庶民の間にもこんな物があると広まりました。

当初は葉巻が広まった様ですが、作るのに手間がかかるので、刻んだタバコを詰めるだけでいいパイプが人気を博し、あっという間に広がっていきました。その頃のパイプは「クレイパイプ」という焼き物のパイプが主流で、壊れやすいんですがかなり安かったのが一気に広まっていった要因の1つでしょう。

 

 

 

・・・時は過ぎ1980年代前半。

日本国内の話ですが、男性の喫煙率は90%に届こうかという数字でした。女性も20%に届こうかという状態。

今、モータースポーツのスポンサーには、レッドブルモンスターエナジーなどの飲料関係が多いですが、80年代はマルボロラッキーストライクゴロワーズ、ロスマンズ、555などタバコ関係が多かったしCMもバンバン流れてました。 路上やいろんな店内でも市役所のような公共機関でも吸えましたし、今では考えられませんが飛行機や電車、バスに至るまで吸えたし、背もたれの後ろに灰皿が常設してありました。

 

タバコスポンサーロゴはなんかカッコよかった・・・

 



消費されるのはマシンメイドの紙巻きタバコが大多数を占めてましたが、葉巻やパイプ、手巻きをやる人も珍しくはありませんでした。 日本では葉巻は成金や悪徳政治家のイメージがあって敬遠されてましたが、パイプは元々庶民から広まったのもあり、またシャーロック・ホームズのおかげで知性派と見られて悪いイメージではありませんでした。 今じゃ信じられませんが、徳大寺さんとか竹村健一さんとかパイプやりながらテレビに出てましたからねぇ。

そんな喫煙事情が今や、男性の喫煙率は20%強、女性に至っては一桁%で、全体ではなんと10%台という有様です。 ご存知の通り、今はテレビCMや街中からタバコの広告は消え、モータースポーツでもなんとかマルボロが頑張っているだけ、しかも名前は書かれていないという・・・

そんな昨今の喫煙事情なんですが、葉巻やパイプはマイノリティながら、率で言うと紙巻きタバコほど落ちてはいません。 元々少ないという事もありますが、趣味性が強くなっているんでしょうね。趣味はやめられませんからねぇ。

とはいえ、パイプも葉巻も喫煙率が落ちているのは事実で、そうなると元々マイノリティで少ない喫煙者数が更に落ちる訳ですから、パイプメーカーとしては、辞めるか高額商品に絞るか、合併(私のお気に入りのスティールスやロップもシャコムに買収されました・・・)するかしか生き延びる方法が無くなります。 となると、現在のラインナップは増えませんし、売り切れたモノの再生産もしなくなります。

以前、売り切れているパイプでどうしても欲しいモノがあって、販売店(日本を代表するようなデカいところ)に再入荷はいつなのか聞いたことがあります。 その販売店がメーカーに問い合わせてくれた結果を踏まえた答えは、

「メーカーは生産未定と言ってますが、もう作る気は無いと思います。他店に在庫を聞いてみますが無ければもう手に入りません」

とのこと。結局他店にも在庫は無く、諦めざるを得ませんでした。(後に自分で見つけて即購入)趣味性が強いと、大量に作れるコレといったスタンダードモデルも無くなるので、おそらく他のパイプにしても同じ状況でしょう。この流れはどうしようもありません。

ですから。

気に入ったモノは多少無理してでも手に入れとこう、となった訳です。 まだ欲しいのが2本ほどあるんですが、無い袖は振れないので売り切れにならないことを祈ってます。

 

ではまた。